辺獄インフェルノ

世界の怖い事件をまとめています

🌍 世界の片隅で起きた、真実の記録。
遠い国の出来事のようでいて、今を生きる僕たちにも通じる――
このブログでは、実際に起きた事件や人間のドラマを
静かに、丁寧に語り継いでいきます。

アルミン・マイヴェス/ボブ・リー・アレン&トーマス・エヴァンズ・ゲイツ

食べられたい人募集!

出会ってしまった男達の惨劇

 

 

 珍品料理は好きですか?

 昆虫のタマゴやサナギなど、普段の食事ではなかなか口にすることのない変わった料理たち。

 そんな珍品料理も、食べるのに勇気がいる人も多いだろう。

 だけど世界には、それらとは比べ物にならないほどおかしなものを食べたがる人がいた。

 この事件が起きたのは2001年のドイツ。

 SNSを通して知り合った2人の男が、待ち合わせをして合流した。

 家の中で色々と話して楽しい時間を過ごしたあと、男が男にこう言った。

「それじゃあそろそろ、僕のペニスを食べてください」

 

 

 

 2002年12月。

 ドイツ、ローテンブルク。

 その日ドイツの地元警察が、ある男の家を訪ねた。

 男には、被害者となる人間の命を奪って遺体を食べるという――なんとも恐ろしい容疑がかけられていたのだ。

 男の家を調べた結果発見されたのは、被害者のものと思われる遺体の一部、パソコンに保存された大量のポルノと拷問の画像。

 ――そして、男本人が行なった殺害の様子を記録したビデオテープだった。

 男の名前はアルミン・マイヴェス

 インターネットで「食べられたい人」を募り、お互い合意の元で命を奪い遺体を食べていたという謎の男だった。

 

 

◆SNSでの募集

 2000年某日。

 コンピューター関係の仕事をしていた39歳のアルミン・マイヴェスは、自分のパソコンでこんな書き込みを行なった。

「僕に殺害され、食べられてもいいという人を募集しています。18~30歳までの、若くて体格の良い男性を探しています。興味のある人はメールください。」

 このSNSが具体的にどんなサービスだったのかは謎だが、サイトの名前は「ザ・カンニバルカフェ」

 好奇心から、マイヴェスの書き込みには多数の反応があったそうだ。

 その中でも一人の男性がメールをくれたことにより、マイヴェスは彼と会うことに決めた。

 

 しかし当日、男性を部屋に招き入れたマイヴェスが殺害の準備をし始めると、男性は「気分が悪い」と訴えて約束を無かったことにしたいと言い始めた。男性は、まさかマイヴェスが本当に自分を殺す気だと思っていなかったのだ。

 恐怖から「やめてほしい」と懇願した男性を見て、マイヴェスはがっくりと肩を落とした。

「だから『本気だ』って、何度も言ったのに……」

 マイヴェスは仕方なく男性を解放し、この日、「生まれて初めて人を食べられる」という彼の夢が叶うことはなかった。

 マイヴェスが一般的な殺人犯と違うと言われているのは、お互い合意の上で行為に及ぼうとした上、途中で拒絶した対象をちゃんと解放していることである。

 

 2001年。

 夢が叶わず意気消沈していたマイヴェスだが、懲りずに書き込みを続けていた。ちなみにマイヴェスは同性愛者だったため、募集したのは全て男性である。

「食べられたい人募集」などというおかしな書き込みに興味を示した人は多いが、マイヴェスが本気であると感じ取ると、皆早々にメールをくれなくなったという。

 

 そんな中、2月14日。

 突然、マイヴェスにとっての運命の出会いともいえるメールが届いたのだった。

 差出人はベルント・ユルゲン・アルマンド・ブランデス。

 ブランデスは43歳の男性だったが、添付されていた彼の写真を見たマイヴェスは「全然構わない」と感じ、彼と連絡を取り続けた。

 

「あなたを食べるということは、あなたの命を奪うということ」

 何度も念を押したマイヴェスに対し、ブランデスは「それで構わない」と答えた。

 しかし、ブランデスは1つだけリクエストをした。

 それは「陰茎を切断する際に、噛みちぎって食べて欲しい」ということ。

 そう言われたマイヴェスは「流石にそれはできない」と答えたそうだ。

 結局ナイフで切断することとなったのだが、ブランデスは「それならば僕もあなたと一緒に自分のペニスを食べたい」と申し出た。

 ※ちなみにブランデス氏は「羊たちの沈黙」・「ハンニバル」に出てくるレクター博士が人肉料理を食べているのを見て、自分も誰かに食べられたいと思ったそうだ。

 

 

◆食べる者、食べられる者

 2001年3月9日。

 色々と打ち合わせをして、いよいよ顔合わせ当日。

 ブランデスと合流したマイヴェスは自分の家に彼を招待しセックスをした後で、ブランデスに睡眠薬やアルコール度数の高いお酒を飲ませた。

 そして当初の約束通り、ブランデスのペニスを切断。

 1本のペニスを縦に切り分け、2枚の皿に乗せる。意識朦朧でフラフラになったブランデスは、マイヴェスと共に自身のペニスを食べたのだった。

 しかしここで予想外のことが起こる。

 生のままペニスを口に入れてみるも硬くて噛み切れず、とても食べられたものではなかったのだ。

 このままでは食べられないということで、マイヴェスは皿に乗せたペニスをフライパンに移動させた。

 ニンニクと塩コショウで味付けをしながら炒め、ペニスのソテーを作ったのである。

 火を通して調理されたそれはさっきと比べればだいぶ食べやすくなっており、2人は今度こそ目的を達成させたのだった。

 この時点でブランデスは激しく衰弱しており、マイヴェスは更に鎮痛剤やアルコールを与えたという。

 

 食事を終えたマイヴェスは改めてブランデスの同意を得て、ブランデスを殺害することにした。

 風呂場に運ばれたブランデスは、そこで静かに命の終わりを待っていた。

 ブランデスが絶命するまで、マイヴェスはスタートレックの本を読みながら待っていたそうだ。

 

 10時間後――

 マイヴェスが風呂場の様子を見てみると、何とブランデスはまだ生きていた。

 そうしてこれ以上苦しまないようにと、マイヴェスはブランデスの首を数回刺し、彼の人生を終わらせた。

 そこからマイヴェスは息を引き取ったブランデスの遺体をフックに吊るし、遺体の解体を始めた。

 細かく分けて骨は粉にし、タッパーなどに肉を保存して冷凍庫に保存してゆく。

 マイヴェスはその後、およそ10カ月間に渡ってブランデスの遺体を食べ続けた。

 ちなみにペニスの切断から遺体解体までの全てはビデオに記録されており、マイヴェスの逮捕後に映像を見たジャーナリストや関係者の多くは、カウンセリングに通うほどの精神的ショックを受けたそうだ。

 

 

◆逮捕と裁判の行方

 ブランデスとのあれこれに味をしめたのか、マイヴェスはそれからもSNSに書き込みを続けた。

 以前と同じように中にはメールを送ってくる者もいたが、マイヴェスが本気であると知ると怯えて去ってしまう。これも前と同じことなので、マイヴェスは気にもしていなかった。

 しかしここで、以前とは違う予想外のことが起きてしまう。

 実はこれらのメールのやり取りで、本気でマイヴェスが人を殺して食べようとしていることを知ったあるユーザーが、警察に通報をしたのである。

 マイヴェスの家にやってきた警察は、冷凍庫からブランデスの肉を発見。

 また殺害の様子を撮影したビデオテープも出てきて、ただちにマイヴェスは逮捕となった。

 

 しかし調べたところ、どうやら被害者は殺害や食人に同意していたようである。

 ブランデスのメールや撮影したビデオを見ても、マイヴェスの一方的な犯行とはとても思えない。

 殺してほしい、食べてほしいという人を、その通りにしただけ――

 マイヴェスの行なったことに悪意はなく、一体この男にはどのような判決がくだるのか? 当時の人々は興味津々で裁判の行方を見守っていた

 

 2004年、カッセル地方裁判所。

 裁判の結果、アルミン・マイヴェスには故殺罪による8年6ヶ月の禁錮刑が言い渡された。

 被害者も同意しているのに罪になるのか?

 殺人は殺人であることから裁かれなければならない!

 ――裁判が終わってからも議論は白熱し続けた

 

 そうして検察側も判決を不服として上告。

 2005年4月、ドイツ連邦裁判所は再審命令くだした。

 2006年5月9日、フランクフルト地方裁判所はアルミン・マイヴェスに対し、謀殺および死体損壊の罪により、以前より重い終身刑を言い渡した。

 マイヴェス側は控訴したが、2008年10月7日に終身刑が確定した。

 

 

 ボブ・リー・アレンと、トーマス・エヴァンズ・ゲイツ

 

◆性転換したい人募集

 2020年10月12日。

 アメリカ、オクラホマ州。

 ここに54歳のボブ・リー・アレンと、43歳のトーマス・エヴァンズ・ゲイツという2人の男がいた。

 アレンは自称カニバリスト。

 何と2人はタッグを組み、SNSで「性転換したい男性」を募集し、医師免許もないのに勝手に手術をしていたのである。

 手術は無料だったためか、信じられないことに応募する者が現れた。28歳の男性Aさんもその内の1人である。

 Aさんは性転換手術を希望し、手術が行なわれるというオクラホマ州の人里離れた丸太小屋へと赴いた。

 そして粗末な手術台に乗せられ、アレンとゲイツの2人から自己流の去勢手術を受けることとなったのである。

 麻酔は性器の周りに打っただけで、約2時間にも及んだ手術の中――Aさんの意識はずっと覚醒したままだった。

 手術は主にアレンが行ない、その横でゲイツはアレンに器具を渡したりしていたそうだ。

 

 かくしてAさんのペニスは要望通り切り取られたのだが、下半身からの出血が止まらない。

 怯えたAさんは病院に連れて行ってほしいと懇願したが、それに対してアレンはこう言った。

「うるせえなぁ、ガタガタ抜かしてると森の中に捨てるぞ」

 放置されたAさんだがなかなか血が止まらず、アレンとゲイツは「このままではAさんが死んでしまう」と判断し、そこでようやくAさんを病院へ連れて行った。

「去勢手術は自分でやったと言え」

 Aさんにそう言って帰宅した2人。

 

 アレンとゲイツは、医師免許もなく命を奪うことが目的でもないのに、なぜこんなことを行なったのか?

 それは、切り取った男性のペニスや睾丸を食べるため。

 そして手術の様子を撮影したビデオを後で見返し楽しむだめだった。

 

 10月15日。

 警察はAさんの証言やSNSの書き込みから、アレンとゲイツの小屋を捜索。

 アレンの寝室にあった冷凍庫からは、Aさんの物ではない男性の睾丸が発見された。

 

 逮捕された主犯のボブ・リー・アレンは 無免許の手術と無免許の医療行為、その他の軽罪を含む罪で起訴され、懲役10年と5000ドル以上の罰金という判決をくだされた。

 従犯者であるトーマス・エヴァンズ・ゲイツは釈放されたが、2000ドル以上の罰金刑を科せられた。

 またアレンとゲイツの手術には、この後にも6名の手術希望者が予約を入れていたという。

 Aさんの命は助かったが、もしもこの事件が明るみにならなければ命を失う被害者が出ていたかもしれない。

 

 

 ★

 

 

 今回紹介した2つの事件の特徴は、いずれも合意の上で行なわれていたということである。

 2つの事件は切断したペニスを食べること、その様子を撮影していたことなど非常に似ている部分があった。

 また2001年と2020年という、決して昔の事件ではないことにも驚かされる。

 いずれも出会いはインターネットということで、何とも現代の闇の部分を感じてしまう。

また、アルミン・マイヴェスの事件を映画にした 「グリムラブ」という映画がある。

 この映画に対してマイヴェスはプライバシーの侵害を理由に上映の禁止を求めたが、紆余曲折あって映画は上映された。

 日本ではDVD化されていないようだがUS版のDVDは出ているので、興味のある人はぜひ、自己責任で。

 

ルドルフ          

 

本事件を動画で見たい方はこちら

 

 

 

 

 

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